バルパライソの長い坂をくだる話

[作]神里雄大
[初演年]2017年
[上演時間]約85分
[出演]マルティン・チラ、マルティン・ピロヤンスキー、マリーナ・サルミエント、エドゥアルド・フクシマ(4名)


父が散骨を希望したために、遠くチリのバルパライソの海岸にやってきた息子。しかし、母親は父親の死を受け入れられないのか、あるいは散骨に納得をしていないのか、車から一向に出てこない。遅れて、散骨の手伝いをしてくれるという男が2人やってくるが、散骨することについて、もっと言えば自分自身のことにすら、文句を言われているような感じがする。

スペイン語上演作品。日英字幕付き。出演者は神里がアルゼンチン滞在中に知り合ったアルゼンチン人俳優2人とダンサーに、以前から知り合いだったブラジル人のエドゥアルドを加えた4名。
父親の死を起点に、死してなお越境する人間の話、好奇心のために太平洋を越えた遥か昔の人類のこと、南米パラグアイで観測された皆既日食のこと、沖縄の地で今も眠る戦没者の骨を発掘する男や小笠原でバーを経営する男の話などが語られる。
舞台は看板作家が作成した書き割りを利用し、客席には、二段ベッド、二等船室、教会、屋台、バーカウンターなど、セリフで触れられるものを置き、頭上には万国旗を掲げ、お祭りのような雰囲気の中、観客は座りたいところを自分で見つける。第62回岸田國士戯曲賞受賞作品。

>収録戯曲集
 >>東京公演(2019)特設サイト


初演クレジット
2017年11月3日〜5日/京都芸術センター講堂
>>KYOTO EXPERIMENT 2017メインプログラム/岡崎藝術座公演

[演出]神里雄大
[ドラマトゥルク]野村政之
[翻訳]ゴンザロ・ロブレド
[美術]dot architects、廣田碧
[衣裳]大野知英
[照明]筆谷亮也
[音響]西川文章
[舞台監督]大久保歩(KWAT)
[通訳]田尻陽一
[宣伝美術]吉田健人(bank to)
[記録写真]井上嘉和
[記録映像]桜木美幸
[英語字幕翻訳]オガワアヤ
[日本語字幕作成]川崎陽子、野村政之、神里雄大
[制作]川崎陽子
[製作・主催]KYOTO EXPERIMENT
 
 






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