4月下旬にTwitter上にて、以前に私神里よりハラスメントを受けたという投稿がありました。
私がお話しできることをご説明いたします。
過去資料などを調べたところ、投稿内容は2009年後半ごろの出来事であると推測されました。投稿された方は、岡崎藝術座の作品に出演していた俳優のお知り合いで、それをきっかけに私はその方と知り合ったようです。
上記のような書き方になってしまうのは、当時どのような状況・場所で、ご本人と会話をし、ご指摘のあった不適切な言動をしたのかどうか、恥ずかしながら覚えていないためで、現状では、この投稿内容について否定も肯定もすることができません。ただし、私の言動が現在に至るまでこの方を深く傷つけてしまっているということがわかりました。
ご本人に当時の状況を確認させていただきたいと思ったものの、連絡を取ること自体が、この方をさらに傷つけてしまうのではと考えていました。また、私がむやみに釈明などをしてしまうのも、ご本人の望むところではないのではないかと感じ、これまではこの件についてコメントすることを控えておりました。しかし、やはり公にご説明をすべきであると思いました。
投稿の中で、私から作品への出演を仄めかす発言があったということを知り、もしも私がこのような発言をしたのであれば、それは自らの立場を利用していることに他ならず、卑劣で許容できない行為です。
今まで出演したキャストの方々の名誉を守るためにお伝えすることとして、これまでそのようなプロセスを経て私の作品に出演された方は居りません。
いずれにしても、当時の私の言動がこの方を傷つけていたことは事実であると思います。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
機会をいただけるのであれば、第三者(私に近い関係者ではなく中立な視点の方)を通じて、当時の状況を伺ったうえ、お詫びをしたいと考えています。
その際、私がご本人へ直接連絡を取るなど、万が一にも圧力になってしまうようなことはいたしません。それをお約束するためにも、この文章を公開することとしました。
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私は20年近く演劇の業界に携わってきましたが、始めた当初から今に至るまで、さまざまな人たちと出会ってきました。出演者、スタッフ、オーディションやワークショップ参加者、お客様などです。
そして、自らの未熟さから、いままで何度も人の気持ちや尊厳を傷つけたり、心無い言葉を投げかけてしまったりしたと思います。
私は今年40歳になりますが、数年前から徐々に、自分が権力を持ちうるものとしての自覚を持って活動しなければいけないと考え、過去の言動を反省し、なんとか自分の価値観をアップデートしようとしてきました。それでもなお、しばしば人を傷つけてしまいました。
これからも、その意識改革は続けていかなければいけないと思っています。
今後も、創作現場やワークショップ、オーディション、観客や出演者・スタッフとの交流の場、ほか公私に渡り、自らの権力や加害性を見つめ直し、専門家のアドバイスも受けながら、いかなるハラスメントもしないよう、具体的な対策をとっていきたいと考えています。
2022.5.14 神里雄大